ランキング計算方式

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当サイトでは独自の方式で「ランキングポイント」を算出し、そのポイントに基づいてランキングしていきます。

ランキングポイントの算出方法


まず、各高校に対して、「地方」「地区」という概念を導入しました。「地方」は都道府県のことです。現在高野連に加盟する各高校はいずれかの都道府県高野連に加盟していますが、その加盟関係を元に「各高校が地方に属している」と見做すことにしました。過去に都道府県をまたがって移転したことのある高校(慶応や立教など)は移転に伴って属する地方も移転します。
「地区」は春季・秋季の地区大会を元にして、各都道府県が各地区に属しているものとします。ただし、秋季地区大会に関しては東京大会は単独で開催されますが、東京は関東地区に属するものとします。各地区と各地方との所属関係は以下の通りです。

学校ポイントの算出方法

ある2チームが公式戦を戦い、試合が成立する(成立条件は時期により5回終了だったり7回終了だったりしますが、その試合当時のルールに従います)と試合結果としては、どちらかのチームが勝利し他方のチームが敗れる、または、引き分ける、という結果になります。このとき、試合ごとに試合参加チームに対してポイントが発生するものとします。ポイントの算出式は以下のようになります。

 ポイント=(勝利係数)*(大会係数)*(回戦係数)
      *(優勝係数)*(対戦相手地区係数)
      *(対戦相手地方係数)*(対戦相手係数)

以下、各係数について説明します。

勝利係数
勝利係数はその試合に勝利したチームに3、敗北したチームに1が与えられます。
引き分けの場合は、再試合により勝敗が決せられる場合には0.5、勝敗が決せられず引き分けのまま結果が確定する場合には2が、引き分け試合の両チームに与えられます。これは、再試合が実施される場合には再試合も含めた数試合を一つの勝負と位置付け、引き分けによる再試合への勝敗持ち越しは一時的、過渡的な状態であるとする考え方を採用することによります。再試合を実施しない場合には引き分け自体を確定的な勝負の結果であると考え、両チームに勝ち、負けの中間のポイントを付与します。引き分け後、抽選で勝敗を決した場合には、試合自体の結果は引き分けであったものとし、両チームに2を与えます。

大会係数
その試合が行われた大会に対して係数を与えます。各大会の係数は以下の表の通りです。
大会名 大会係数
選抜高等学校野球大会(春の甲子園) 4
全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園) 4
明治神宮野球大会高校の部 1999年以前は2、2000年以降は4
明治神宮国民体育大会(1924~1943) 3
御大典奉祝全国中等学校野球大会(1928) 3
明治神宮鎮座10周年体育大会(1930) 3
国民体育大会高等学校野球競技(国体) 2
春季地区大会 2(※1)
秋季地区大会 2(※2)
五地区大会(1932~1942) 2
全国高等学校野球選手権地方大会(夏の甲子園の地方予選) 1
春季都道府県大会 1
秋季都道府県大会 1

※1:北海道大会は決勝・準決勝は2、準々決勝以前は1
※2:北海道大会・東京大会は決勝・準決勝は2、準々決勝以前は1

回戦係数
その試合が決勝戦であれば1.5、準決勝であれば1.2、それ以外であれば1を与えます。ただしこれにはいろいろな例外があります。
最近の大会はトーナメント方式で行われる場合が多いのですが、昔の大会は敗者復活があったり、リーグ戦が行われたり、その他いろいろな方式が採用されていました。敗者復活戦には1を与えます。リーグ戦は基本的に1を与えますが、なんらかの予選を実施したのちの参加校数4校以下の決勝リーグ戦については各試合を4強レベル校同士の試合と認め1.2を与えます。また、かつて夏の甲子園が一県一代表制となる前は県単位の一次予選と県間での二次予選が実施されていましたが、「決勝戦」は二次予選の決勝戦を指すものとします。「準決勝」については二次予選に準決勝があればその試合を、準決勝がなければ一次予選の決勝を準決勝と見做します。特殊な事例として、四国各県の春季県大会では春の甲子園出場校は県大会を免除され、「四国大会出場決定戦」として県大会優勝校と春の甲子園出場校の試合を実施する制度がありました。この制度については、「四国大会出場決定戦」を決勝戦と見做し、県大会決勝を準決勝と見做します。
つまるところ、基本的に優勝校が決まる試合を「決勝」、その一つ前の試合を「準決勝」と考えます。

優勝係数
上記「回戦係数」の説明内で決勝戦と認められる試合の勝者には2を、その他には1を与えます。

対戦相手地区係数
地区間にもランキングポイントを導入します(後述)。この係数は野球レベルの高い地区からの代表校と試合をした場合に得られるポイントを強化するものです。この係数の計算方法は

 対戦相手校の所属地区のポイント÷一位地区のポイント÷2+1

とします。つまりこの係数の値域は1~1.5で、対戦相手校が一位地区に属している場合にこの係数は1.5となります。

対戦相手地方係数
上述の「対戦相手地区係数」と同様、地方にもランキングポイントを導入し、

 対戦相手校の所属地方のポイント÷一位地方のポイント÷2+1

を本係数の値とします。

対戦相手係数
この係数は強豪校と試合をした時に得られるポイントを強化するものです。対戦相手校のランキングポイントに対して、

 対戦相手校のポイント*3÷一位校のポイント+1

とします。つまりこの係数の値域は1~4で、一位校と対戦した場合に4となります。

上記の対戦相手地区係数、対戦相手地方係数、対戦相手係数で参照するランキングポイントは一つ前の大会結果を算入したランキングポイントとします。ただし例外として、1941年の選手権大会(夏の甲子園)から1946年の選手権大会(夏の甲子園)予選までの間は約5年のブランクがありますので、1946年の選手権大会(夏の甲子園)予選直前の状態としてランキングポイントを再計算します。

以上が一試合で各校が獲得するポイントです。一大会が終了するまでに実施された全ての試合についてポイントを計算し、大会終了後にその合計ポイントが各校に与えられます。


期間経過によるポイント減少について

ポイントの有効期限は10年とします。選手一人が在校するのは3年ですが、その選手を支援する周辺環境をも考慮して「学校の実力」としてポイントを算出するためには3年以上の期間を継続的に観察する必要があります。しかし状況が刻々と変化することを考えれば永久的にポイントが有効であるのは問題です。ここで、妥当な期間として10年という期間を設定しました。ただし、この10年間、ポイントはそのまま有効というわけではありません。時期の経過とともにポイントは劣化減少します。劣化係数は以下のように算出します。

 1-(経過年数÷10)^1.5

具体的には、係数は以下のような値になります。
1年前のポイント:約0.96
2年前のポイント:約0.91
3年前のポイント:約0.83
4年前のポイント:約0.74
5年前のポイント:約0.64
6年前のポイント:約0.53
7年前のポイント:約0.41
8年前のポイント:約0.28
9年前のポイント:約0.14
時期が近いほど係数は1に近く、選手在校期間である3年間はできるだけ劣化しないようにしておいて、3年を超えると加速度的に劣化するような仕組みとしてこの係数を考えました。
この劣化減少の仕組みにより、各校のある時点での保有ポイントは以下のように計算できます。

 (最近一年間の獲得ポイント)+(1年前の獲得ポイント)*0.96+(2年前の獲得ポイント)*0.91+…+(9年前の獲得ポイント)*0.14

学校の合併、分離の際のポイント継承方法

長い高校野球の歴史の中で参加各校は合併、分離を経験している学校が少なくありません。合併前後、分離前後のポイントの継承方法については以下のようにします。

合併時・・・合併に参加する各校の中で、合併直前の保有ポイントの最も高い学校のポイントを合併後の学校に引き継ぎます。
分離時・・・分離直前の学校の保有ポイントを、分離後の各校に引き継ぎます。

このそれぞれのポイント継承については、ポイントの「古さ」も継承します。すなわち、上述にあるような期間経過に伴うポイントの減少について、継承前のポイントが獲得後何年経過していたか、をそのまま継承後の学校のポイント算出に反映させて、より古いポイントはより大きく減少する計算方法を採用します。

連合チームの参加各校、および対戦相手のポイント算出方法

高野連による1997年以降の「特別措置」により、条件を満たした学校は複数の学校による連合チームを結成し、連合チームとして大会に参加することが可能となっています。この「連合チーム」については以下のようにポイントを算出します。
連合チーム参加校
連合チームが試合を行なった場合、上述の「学校ポイントの算出方法」により算出されるポイントを、連合チーム参加各校がそれぞれ獲得します。
連合チームとの試合相手校
連合チームと試合を行なった相手校についても上述の「学校ポイントの算出方法」により算出されるポイントを獲得しますが、対戦相手係数を計算する際の「対戦相手校のポイント」としては、連合チーム参加校の保有ポイントの中で最も高いものを採用することとします。

地区ランキング、地方ランキングについての算出方法

地区ランキングのポイントは地区間の試合で獲得できます。つまり全国大会でのみ獲得できます。具体的には、春と夏の甲子園、神宮大会、国体で獲得できます。地方ランキングのポイントは地方間の試合で獲得できます。具体的には、上記全国大会に加えて春季地区大会、秋季地区大会で獲得できます。

地区・地方ランキングのポイントは上記大会についてその地区・地方からの代表校が獲得したポイントを平均化した値を加えます。ただし、平均化については単純に代表校数で割る、という方法は採りません。理由としては、代表校が何校あろうと、優勝できる学校は1校だけだからです。例えば代表校を2校送り出している地区・地方があったとします。そのうちの1校が優勝してしまうと、もう1校は最高でも準優勝しかできません。これを単純に平均化してしまうと、その地区・地方は優勝校のポイントと準優勝校のポイントの中間のポイントしか得られません。一方で1校だけ代表を送り出している地区・地方は、その1校が優勝すれば優勝校が獲得するポイントをそのまま得られることになり、ポイント算出に際して、複数代表校を送り出すよりも1校だけ送り出した方が有利、という方式になってしまいます。特に春の甲子園大会について言えることですが、複数の代表校を送り出す地区・地方はその時点においての野球レベルが高いと言うことができます。したがって評価されるべきであるにも関わらずポイント算出において不利であるのは問題です。そこで平均化の計算方法を工夫しました。

平均化の算出式は以下の通りです。

 (代表校の獲得ポイントの合計)÷(1+0.8+0.8^2+…+0.8^(代表校数-1))

分母としている「(1+0.8+0.8^2+…+0.8^(代表校数-1))」の具体的な値は次の通りです。
代表校1校の場合:1
代表校2校の場合:1.8
代表校3校の場合:2.44
代表校4校の場合:約2.95
代表校5校の場合:約3.36
代表校6校の場合:約3.68
代表校7校の場合:約3.95
代表校8校の場合:約4.16
代表校9校の場合:約4.32
代表校数が多いほど優遇する計算方法であることがお分かりいただけると思います。

地区・地方についてもポイントの有効期限は10年で、ポイントの劣化減少の計算方法は上で説明した各校が獲得したポイントの劣化減少方式と同じです。


以上の方式によりランキングポイントを算出し、各大会終了時点での学校ランキング、地方ランキング、地区ランキングを作成していきます。また、地区大会、全国大会の前には出場校のランキング、保有ポイント分析も作成したいと思っております。


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